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DX事例~CRMを活用した売上拡大~

  • 中小企業DXドットコム
  • 2023年1月8日
  • 読了時間: 7分

更新日:2024年7月18日


今回は、DXによる売上拡大という切り口でDXの支援事例を紹介します。


売上拡大はほとんどの企業で一番気になるテーマですが、

売上拡大といっても漠然としてしまうので、

目指したい最高の顧客体験を定義した上で

具体的に直面している課題(現状と目指したい最高の顧客体験のギャップ)に対して

DXによってどういった解決ができるか解説します。


今回は、CRMツールを活用した事例について紹介しますので、

前提としてCRMとはという点を説明します。



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◯CRMとは

CRMとはCustomer Relationship Managementの略で、

直訳で顧客関係管理という意味になり、

一般的に経営概念や顧客管理システムという意味で使われます。


顧客管理の方法として、「Excelで管理している」「名刺や連絡先で管理している」

「営業の頭に入っている」等々あるかと思いますが、

CRMは顧客のプロフィール情報や、顧客と関係した情報(契約情報や

顧客への提案・問合せ情報等…)をシステムで管理するものです。


また、同じような場面で使われるSFA(Sales Force Automation)は、

直訳で営業活動自動化となり、

こちらも顧客管理という点は共通していますが、

提案案件や商談の情報をメインに管理するシステムとなります。


現状では、CRMとSFAを統合したサービスがほとんどなので、

あまり違いを意識することはないですが、

ここではSFA機能も含んだシステムとしてCRMを紹介いたします。


さらに、CRMはますますその領域を拡大し続けており、

顧客情報や提案案件だけではなく、

メール配信やECサイト構築・WEB決済、SNSでのやりとり、HPでのQA等々、

顧客と企業のかかわる全てのシーンに対して、

CRMが活用できるようになっています。


顧客とのかかわりだけではなく、企業の内部に対しても、

顧客との提案・成約状況、やり取りの結果等を、簡単にわかりやすくレポート表示したり、

担当者間・部署間での顧客の引継ぎ等の連携を可能とする等、

経営・事業運営をCRMを基盤に行えるようにしています。


特に、売上等の経営指標については、営業からの報告や入出金データ、

Excel等の報告資料で管理されている企業もありますが、

CRMを導入していれば、それらのデータが、ボタン一つで、

リアルタイムに確認することが可能となり、

課題を即座に把握し対策を打つことが可能となります。


報告を待っていては対策が遅くなり、直接現場に聞くだけでは、

客観的・正確な情報は入手できないので、

CRMを活用し、リアルタイムで正確なデータを、経営層も現場も確認しながら、

即座に対策を打っていくことが、

ビジネスチャンスを逃さないポイントになってきています。



<DX事例~CRMを活用した売上拡大~>

担当者任せの営業になっていて、売上拡大の対策が打ててない状況で、

CRM導入により顧客情報・提案状況を一元的に管理し、

顧客獲得に適した営業の分業体制を構築し、顧客獲得力を強化した事例です。


◯変革前の状況

創業3期目となり、売上も順調に拡大してきましたが、

スキルのある営業人員が採用できず、

今の人員だけではこれ以上売上を伸ばせない状況でした。


また、顧客が増えてきたことと、複雑な商品であるため、

顧客からの問い合わせが全て営業に集中してしまい、

営業が新規顧客開拓する時間がとれなくなってきていました。



◯目指したい最高の顧客体験の定義

そのような状況を打開するために、まず目指したい最高の顧客体験を、

経営層・営業現場を含め議論し、以下のように定義しました。

「複雑な商品だが、最初に営業が顧客の成功までの道筋をつけたあと、

顧客自身でストレスなく商品を自社業務に組み込み、

継続的に業務を改善し続ける環境を提供する」


少し営業現場目線で、現状の課題に引っ張られていますが、

お客様に商品をどう使ってほしいかがうかがえます。



◯課題(現状と目指したい最高の顧客体験のギャップ)

目指したい最高の顧客体験に対して、現状何が課題となっているかヒアリングした結果、

以下の2点が大きな課題として浮かび上がってきました。


①営業のスキルがバラバラで、契約だけとってくる営業と、

 顧客の業務に合わせて業務改善の方針・ポイントまで伝える営業に二極化しているため、

 顧客自身が商品をうまく使いこなせていないケースがある


②契約後、顧客が営業に商品の詳細な使い方を問い合わせることが多いが、

 顧客対応に時間がかかっており、顧客の業務改善スピードを遅らせているため、

 満足度低下・使いこなせず解約に繋がっている



◯解決策

解決策に対して、営業のやり方として、

顧客がしっかり商品を使いこなせるまで教えるといった案もありましたが、

そもそも営業任せになっていて誰が何をやっているのかわからない状態では、

営業に押し付けるだけで実行されなくなってしまいます。


したがって、そもそも営業状況を全員が見えるようにした上で、

うまくいっているところは真似して、

うまくいっていないところは改善していける体制をつくるために、

CRMを導入し、それをベースに以下のような解決策を打ちました。


①まず、営業担当者ごとの営業状況を把握するため、無料のCRMサービスを導入し、

 営業が今抱えている案件をすべて見える化


②営業ごとに、案件量・成約率・成約までの期間のデータをCRMから集計し、

 営業ごとのスキルを見える化

 さらに、営業ごとの改善点(提案量を増やす・提案の質を高める・顧客を

 見極める等)を抽出し、スキルの高い営業の提案資料・ノウハウを展開


③トラブル時に営業経由でのみ対応していた技術支援メンバーを増員した上で、

 サービス担当として組織を立上げ

 成約後の顧客からの問合せや、つまずきやすいポイントのメール配信等の

 一切の顧客対応業務を、サービス担当が実施するように変更

 (顧客へは、営業からサービス担当者への引継ぎ対応を実施)



◯さらなるCRMの活用

さらにCRMを活用して成果を出していくために、以下の打ち手も検討しました。


・顧客からの問合せ内容・時期をCRMから収集し、顧客の問合せが多い点については、

 HPにQA集や対応マニュアル・動画を掲載し、サービス担当への問合せ量を削減


・それまで役職を設けていなかった営業組織に対して、「リーダー」を設定し、

 リーダーがCRMを活用しながらメンバーの日々の活動を把握し、

 アドバイスする仕組みを導入


CRMから業種等の顧客属性ごとの成功しやすい傾向を分析し、

 顧客の業務に合わせた業務改善の方針・ポイントを型化して、

 経験の浅い営業の提案の質向上


・サービス担当が、営業が顧客と話していた内容を踏まえずに顧客対応しているため、

 CRMツールに営業時の対応内容まで残せる仕組みを導入し、

 顧客満足度向上・業務効率化




実際はこのようにきれいな話ばかりではないですが、

目指したい最高の顧客体験を定義した上で

具体的に直面している課題を洗い出し、

CRMを活用して解決をはかる

という支援事例を紹介しました。


このようにみると、DXといっても、

よくわからないシステムありきで会社を大きく変えるというよりは、

会社が目指したいことや、現場の課題に対して、

CRMという使いやすく、便利なサービスを活用して、

着実に営業がやりやすいように、顧客の要望に応えやすいように、在り方を変える

という取り組みであることをご理解いただけたかと思います。


中小企業DXプロボノでは、

社員だけではまとまらない目指したい最高の顧客体験の定義や、

収集しづらい課題の洗い出し、

使いやすく便利な最新のDXツールを活用した解決策の立案

を支援し、その後の解決策の実行段階での、CRMの導入や定着化も支援しています。


DXの検討をされる際は、是非ページ上部の無料相談からご連絡ください。



今回ご紹介した事例を踏まえ、御社でも活かせることがないか

検討のお役にたてますと幸いです。


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